2019年09月25日
【お勧めの一冊】
こんにちは。
流通コンサルタント(1級販売士)の志村幸
司です。
昨日読んだ本について書きたいと思います。
スーパーマーケットのあるべき姿
スーパーマーケットの未来像を鋭く描いた、
商業界より出版された本、そのタイトルは
百年に一度の大変革期を生き残る
スーパーマーケット
近未来戦略
作者、商人伝道師゛水元 仁志゛氏
前書きには、ダーウィンが書いた進化論の中
で出てくる有名な言葉
「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢
い者が生き延びるわけでもない。唯一生き残
れるのは変化できる者である」
という言葉が書かれています。
本文は
今は百年に一度の大変革期であり、アメリカ
の「現在」は日本の「近未来」であること。
アマゾンの台頭でおびえるアメリカの小売業
界、そして日本もいずれそうなること。
世界最大の小売業ウォルマートが行っている
アマゾンへの対策がわかりやすく説明されて
います。
昨年、大手小売業のユニーがドンキホーテと
組んでドンキ流の売場に改装、その店舗がユ
ニー時代の2.5倍に売上が伸びていること
など日本で起きている需要の変化。
その成功要因となっている、1981年以降
に生まれリーマンショックの頃に社会に出た
世代゛ミレニアル世代゛の消費についても分
かりやすく説明されています。
モノ消費とコト消費のニーズを同時に達成す
る事の重要性にも納得です。
また、ドラッグストアの台頭もあり、日用品
で低粗利率戦略が取れない企業は大幅に品揃
えを変える必要があることなどが理解できま
す。
さらに、どのような商品に力を入れていけば
良いのかについて、野菜、肉、魚、加工食品、
日配品、酒など各々のカテゴリーでのこの先
の消費動向(食の変化)を踏まえた提案がな
されています。
人手不足への提言も
小売業が抱える大きな課題でる゛人手不足゛
この問題の解決策が、働きたい時間に働ける
仕組み作りや、高齢者が働ける環境づくり、
そして外国人の活用なども分かりやすく説明
。そして、これからの店長のあるべき姿につ
いても触れています。
人時売上高で管理する重要性や、その理由を
従業員に説明しモチベーションにする教育者
としての役割の大きさが書かれています。
ファイブ・ウェイ・ポジショニング戦略
最後の章ではフレッドクロフォードとライア
ンマシューズが説いた゛ファイブ・ウェイ・
ポジショニング戦略゛
・価格(安さ)
・商品
・サービス
・アクセス
・経験価値
を作者の水元氏がスーパーマケット業態に当
てはめた
「スーパーマケットのファイブ・ウェイ・ポ
ジショニング戦略」について説明されていま
す。
商品ではマインドシェアを高めること。アク
セスはアマゾンならどこでもスマホさえあれ
ばできるがリアル店舗であるスーパーマーケ
ットはどうすべきか。
経験価値の高めかた、などなど、本書には学
びが沢山です。
最後に
考え方を書いた本は数多くありますが、この
本はそれらとは違い、現状起きている問題、
そしてこれから出てくる数々の課題、それぞ
れの解決策を現場(売場)レベルへ落とし込
んだ実戦的で分かりやすい内容でした。
スーパーマケットの戦略が書かれていますが
それ以外のビジネスパーソンにも参考になる
話が盛りだくさんです。
私自身も、従来型の発想から脱却しなければ
いけないと感じた次第です。
posted by 志村幸司 at 17:41| Comment(0)
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2019年09月11日
【ターゲットを拡げる】
こんにちは。
流通コンサルタント(1級販売士)の
志村幸司です。
今日はターゲットを拡げることににつ
いて書きたいと思います。
ターゲティングは
通常、マーケティングは市場環境の分
析から始まり、お客様のニーズの固ま
り(セグメント)を分類するセグメン
テーション、そのセグメントの中から
ターゲットを選定するターゲティング
、そしてそれらのターゲットにどのよ
うな価値を提供しどのようなポジショ
ンを得るかというポジショニング、次
の段階として4P戦略などマーケティ
ングミックスを考えていきます。
セグメンテーション、ターゲティイン
グ、ポジショニング全体の中で絞り込
みを行っていくことが基本となります。
そうすることで、より絞り込んだ顧客
像(ペルソナ)に価値を提供していく
という点でターゲティングは重要な位
置づけと言えます。
ターゲットを拡大するという考え
上記のマーケティングにより絞り込ん
だターゲットにモノやサービスを提供
していき、そのターゲットのニーズを
更に深堀することが重要になるが、深
堀を続けていく中、市場が飽和状態に
なればターゲットを拡大する必要が出
てきます。
近年、回転ずし屋が専門の開発部門を
設置するなどスイーツに力を入れてい
ますが、これはターゲットという視点
で2つの見方が出来そうです。
ひとつは、基本ターゲットである寿司
が好きだという同じターゲット顧客に
もう一点プラスで食べてもらうこと。
もうひとつは、寿司好きでなくてもス
イーツが好きな人に来てもらうこと。
前者は現在のターゲットのニーズを深
堀すること。
後者はターゲットの拡大ということに
なります。
以前は前者が中心で、近年は後者に移
行しているようです。
後者は、寿司好きでないお客様に少し
でも好きになって頂くといいうキッカ
ケ作りにもなりそうです。
スイーツは食後のデザートとしての位
置づけも出来るため、親和性が高いと
思われます。
親和性の高さも重要な視点になりそう
です。
まとめ
ターゲットの絞り込みはマーケティン
グの重要視点ですが、市場が飽和する
と拡大も必要になります。
その拡大のポイントは現在のターゲッ
トと新しいターゲット、そして提供す
るモノやサービスとの親和性の有無に
ありそうです。
posted by 志村幸司 at 12:42| Comment(1)
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